一、みなみの空の 朝あけて
噴煙あぐる 桜島
国にいしずえ 固めんと
思いは燃ゆる 大西郷
二、明治維新を 遂げしあと
アジアの平和 念じつつ
隆盛自ら 韓国に
使いせんとの 決意述ぶ
三、文明開化の 欧米に
まなこくらみし 岩倉ら
時機にあらずと 退けて
遣韓論は 敗れたり
四、雄図むなしく ついえたる
非憤の思い いだきつつ
政府を辞して 帰りゆく
明治六年の 秋寒し
五、野に下りたる 隆盛に
従う郷土の 若人ら
われもわれもと 集い来て
心を磨く 私学校
六、大隅山の 狩倉に
悠々自適の 隆盛は
政府監視の 的となり
暗殺説も 乱れ飛ぶ
七、いきりたちたる はや人ら
政府にただす 事ありと
西郷推して 気勢上ぐ
薩南の空 雲早し
二四、勝てば官軍 敗けて賊
汚名は晴れて 幾世霜
敬天愛人 燦として
人の心に 生くるなり
二五、南州墓地や 上野杜
今も訪う人 絶ゆるなく
み霊は神と まつられて
み国をとわに 守るらん
み国をとわに 守るらん